外国人雇用・労務・監査戦略室

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6月23日に公表された技能実習に関する行政処分について、本稿では、実習実施者(受入先企業)の技能実習計画の認定取消に関して述べます。

 

今回11件の認定取消が公表されており、1回当たりの公表件数としては過去最多です。

技能実習計画の認定取消の処分は、企業の規模にかかわらず処分がなされているのが特徴ですが、今回も個人事業主から著名な企業に至るまで処分がなされています。

 

認定取消理由の分類

認定取消となった理由は、分類すると以下のようになります。

①不法就労活動をさせた【1件】

②認定計画に従って技能実習をさせていなかった【1件】

③認定計画に従って賃金を支払っていなかった【2件】

④認定計画に従って賃金を支払っておらず、かつ、外国人技能実習機構の職員に対し虚偽の帳簿書類を提示、及び、虚偽の答弁をしたこと【1件】

⑤監理団体の実習監理を受けなかった、及び、外国人技能実習機構の職員に対し虚偽の答弁をした【1件】

⑥技能実習生の人権を著しく侵害する行為を行った【1件】

⑦労働安全衛生法違反で罰金刑となった【3件】

⑧労働基準法違反で罰金刑となった【1件】

 

①は認定取消もやむを得ないでしょう。不法就労は入管法の重大な違反です。不法就労活動をさせた場合には、不法就労助長罪に該当して刑事処分を受けることもありますから、全ての企業が気をつける必要がありますが、技能実習生や特定技能の外国人を雇用している企業はいっそう注意する必要があるといえるでしょう。

 

②も認定取消はやむを得ないでしょう。認定された技能実習計画から逸脱していたのでは認定を受けた意味がなくなってしまいます。当然と言えば当然ですが、認定を取得する手続を他人に任せきりにしている場合、一般論として、技能実習計画の内容を十分に顧みることがなく、そのとおりに技能実習をしなければならないという意識がおろそかになる場合があるかもしれません。それではいけないということになります。

 

③や④も、②の一種といえると思います。いくらいくらの賃金を支払うと決めて技能実習計画の認定を受けたのですから、その賃金を払うのは当然のことです。技能実習計画を変更する場合もありますが、そのときは変更の手続をとらなければなりません。

 

⑤について、監理団体の実習監理を受けなかったということの具体的内容は不明ですが、監理を受けないということは団体監理型の技能実習制度の制度の根本に逸脱したと言えると思います。また、技能実習機構に対して虚偽を述べることは事態を悪化させるだけですので絶対に避けるべきです。

 

⑥についても詳細な中身は不明ですが「人権を著しく侵害する」という以上、かなり問題となる事象があったのだろうと推測されます。現行の技能実習制度は、技能実習生の権利を守るということを理念としていますので、人権侵害があった場合に重い処分がなされることはやむを得ないでしょう。

 

企業として特に気をつけるべきは⑦と⑧です。

⑦は労働安全衛生法違反の具体的内容は公表されていないため不明ですが、一般論を述べれば、事業者による危険防止措置義務違反(労働安全衛生法20条、119条1号)のケースが多いです。危険防止措置義務の中身は業種ごとに様々で、危険な機械には安全囲いをしなければならないというのが一例ですが、詳細は労働安全衛生規則に定められています。この危険防止措置義務違反は、死亡事故など重大な労災事故が発生した場合に発覚し、刑事事件化する場合が多いです。

事業者の誰もが労災事故を望んでいませんし、労働者の安全に無頓着な企業はないと思いますが、配慮が足りていないケースは残念ながら見受けられます。作業効率を優先するあまり、現場の判断で安全装置を外してしまう場合もあります。危険防止措置義務違反の事案の中に悪意のある事例はさほどないとは思いますが、それによって万が一労災事故が発生してしまうと、従業員が死亡したり重傷を負うのみならず、労働安全衛生法違反の刑罰に処せられ、更に技能実習生や特定技能の外国人の雇用が続けられなくなるという事態まで生じてしまいます。このような外国人を雇用する際には、通常よりもなお労働安全衛生法に配慮をする必要があるといえるでしょう。

 

⑧の労働基準法違反も具体的な内容は不明です。

労働基準法違反には様々な場合がありますが、典型例は違法残業のケースです。

注意すべきなのは、技能実習生等に関して労働基準法違反がない場合でも、他の従業員に労働基準法違反があったことにより処罰されれば、技能実習計画の認定取消がなされる可能性があるという点です。これは労働安全衛生法違反の場合も同じですが、要は技能実習生や特定技能の外国人にのみ配慮しているだけでは足りないということです。

 

技能実習計画の認定取消を防ぐためには

このように、技能実習計画の認定取消にはさまざまな理由がありますが、共通して言えることは、技能実習生を受入れる際には認定を受けた技能実習計画をしっかりと守り、法令を遵守しなければならないという点です。これは小規模の企業には必ずしも容易ではないかもしれませんが、それができないのであればそもそも技能実習生を受入れてはいけませんし、ひとたび技能実習計画の認定を受けて技能実習生を受入れると決めたのであれば、しっかりと守っていく必要があります。大企業であっても行政処分を受ける事例が続いていますので、決して油断はできません。

 

技能実習計画の認定取消がなされると、受入れていた技能実習生をそのまま働かせることができなくなるのみならず、今後5年間、法的に技能実習生の受入れと特定技能外国人の受入れができなくなります。重大な影響を及ぼすことは明らかですので、企業としては認定取消がなされるようなことがないように、普段から意識しておくことが必要です。

   
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